病気は違うけれど | ひめさゆり訪問マッサージ

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  • ブログ2021.06.05

    施術部の伊藤です。いつもスタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。

    一昨日、パーキンソン病を患い施設に入所しているAさんのマッサージに伺いました。Aさんは筋緊張緩和、筋力低下防止、機能訓練、ADL(日常生活動作)の維持を希望されており、今年の4月にご縁がありまして、マッサージをさせていただくことになりました。

    パーキンソン病は、ドーパミンの分泌量が少なくなる進行性の病気です。ドーパミンは、やる気や幸福感を得られるだけではなく、運動、学習、感情、意欲、ホルモンの調節など、多くの生命活動に関与しています。そのドーパミンの分泌量が少なくなっているので、Aさんは、体が思うように動かない、やる気が出ない、認知症の併発もあるという状態で苦悩されています。
    Aさんはまだ60代なのですが、現役の時はケアマネージャーをされていたそうです。

    いつも私たちに、動作がゆっくりなこと、病気の症状が教科書どおりなこと、予定などをすぐ忘れてしまうのが情けない、迷惑掛けて申し訳ないなどと毎回おっしゃるのですが、今回は、若い頃は自分がパーキンソン病になるとは夢にも思わなかったという話から、病気は違うけれどAさんを勇気づけたいと思い、私の病気のことを話しました。7歳でⅠ型糖尿病を発症し、22歳で失明した話しをすると、優しいAさんは、「どれほどお辛い経験をされたことでしょう…。」と、涙声でおっしゃってくださいました。その後、体位変換の動きや機能訓練の力の入れ方がとても良くなりました。

    今までは退室の際、ベッドに座ったままが多かったのが、今日はベッドから立ち上がって「お見送りさせてください。」と、事務所近くまで私たちを見送ってくださったのです。歩行器での歩行もスムーズに歩けていたようでした。

    私のⅠ型糖尿病もそうですが、パーキンソン病も自分の意思ではコントロール出来ない病気です。パーキンソン病は難病指定されている病気で、医療が進歩していても治療法にも限界があるので、Aさんは私以上にやるせない辛い思いをされていると思います。でも、私の病気のことを話したことで、Aさんの感情に刺激が与えられた結果、Aさんの体の動きが良くなったこと、しかも、やる気が出てご自身で歩いてお見送りまでしてくださったことがとても嬉しかったです。施設を出て車に戻ってから、「私の病気が役に立った!やった!」と、思わず歓喜していました。

    私の病気が、このような形で患者さんのお役に立てたこと、これは私にとって本当に嬉しいことでした。
    これからは、私の病気もひめさゆりの企業理念の「慈愛の追求」に活用していきたいと思いました(^^)
    今後も色々な慈愛の追求をし、患者さんの笑顔を広げていきます!

    大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。

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