尊い御縁と別れ | ひめさゆり訪問マッサージ

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  • ブログ2023.04.07

    施術部の伊藤です。いつもスタッフブログをお読みいただきありがとうございます。

    私が担当させていただいた患者さんお二人が、3月に天国へ旅立たれました。一人は男性のTさん(満89歳)。もう一人は女性のMさん(満80歳)でした。

    Tさんは、胃癌で胃を全摘していました。Mさんは、胆嚢癌末期で腹水が溜まっており、主治医から春まで持たないかもしれないと、ご家族様が告知されていたそうです。Tさんは、筋力低下を改善したいとご希望があり、5月のお孫さんの結婚式に参加することを目標に、機能訓練を行なっていました。

    12月から本施術が始まり、体力が段々落ちてきても、3月に入院になるまで、いつも機能訓練を頑張ってされていました。開始当初は短期間で筋力が上がり、立ち上がりがスムーズになったのが凄かったです。娘さんも喜んでくださっていました。
    またある時は、「久し振りに駅前に行ってきたんです。」と、昔からお好きだったらしいお菓子屋さんに行って、ご自身でお菓子を買ってきたこともありました。

    Mさんは、癌のことは知らされていなかったのですが、無料体験の際、マッサージを通してのご希望を伺った時、「ご飯が食べられるようになって、散歩が出来て、また洗濯を出来るようになりたい。」と話してくださいました。
    3月初旬に本施術が始まりました。Mさんは傾眠傾向があって、施術を受けながら、夢を見ているのか、時々寝言のようなことを言ったり、手の指が動いていることもありました。

    私たちが帰った後、娘さんがMさんにどんな夢を見ていたのか聞いてくださっていて、Mさんは、夢の中で洗濯をしていたそうです。私はそれを聞いた時、夢で見るほど洗濯がお好きで、元気になることを信じて、生きることを諦めていない、Mさんの懸命に生きている姿に心打たれました。ですがMさんは、3月半ばに体調が急変し、ほどなく天寿を全うされました。

    そしてTさんも、娘さんから月末に連絡をいただき、「もう看取り段階になったので、このまま病院で看てもらう。お世話になりました」と、お話がありました。その2日後に、Tさんは天寿を全うされました。

    Mさんの施術に伺っていた時、娘さんから、「母はマッサージを楽しみにしていて、『マッサージは明日なの?今日なの?』て言っています。」と、Mさんの喜びの声をいただきました。

    Tさんは口数が少ない方でしたが、最後に娘さんから、「父は『マッサージの時間が楽しい』と言っていました。」と、お話がありました。

    TさんとMさんに、晩年に私たちひめさゆりの訪問マッサージを快く使っていただけたことが分かり、安堵しました。誠心誠意、真心尽力出来て、本当に感謝です。

    訪問マッサージのお仕事は、患者さんたちの大切な命の最後まで関わらせていただける、尊いお仕事です。そして患者さんたちから、命の尊さ、生き方の在り方を深く考えさせられ、そのような命の授業を受けさせてもらえるので、本当に有り難いお仕事です。

    これからも自分を磨き、バディー力を高めて、患者さんたちの命が輝くように、最後まで喜びや幸せを感じていただけるように、慈愛を追求していきます。

    大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。

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