敬意と感謝 | ひめさゆり訪問マッサージ

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  • ブログ2021.08.07

    施術部の伊藤です。いつもスタッフブログをお読みいただきありがとうございます。

    スタッフブログにも何度か書かせていただいたことがある患者さんとのお別れがついに訪れました。私が関わらせていただいた期間は短かったのですが、その分私にとって中身の濃い関わりをさせていただけた患者さんだったので、敬意と感謝を表して、記事を書かせていただきたいと思います。

    8月2日、施術のため、患者さんのMさんが入所していた施設に伺うと、スタッフさんから「Mさんですか?」と言われ、「昨夜7時15分に、老衰で亡くなられました。」と報告を受けました。以前から看取り対応の方だったので、ある程度覚悟は出来ていましたが、何とも寂しい気持ちでした…。Mさんとの最後は7月30日でしたが、施術の時に体をよじって「あー…」と声を出してくれました。今思うと、最後の挨拶をしてくれていたのかもしれません。

    私がMさんと関わらせていただくようになったのは、入社して研修期間中に院長と一緒に入らせていただくようになった時からでした。その時のMさんは既に認知症がある状態でしたが、院長との会話は普通にやり取りが出来ていて、最初は認知症があるのが分からないくらいでした。

    Mさんは歌が好きで、院長が歌の話を振ると、Mさんは「会津磐梯山」や「赤い靴履いてた女の子」などを歌ってくれたのですが、途中で歌詞がMさんアレンジになってしまって、なかなか味のある、楽しい歌を聞かせてくれました(^^)

    その後新型コロナが流行り、施設への出入りができなくなった期間が数ヶ月あり、やっと解除になって、またMさんの元へ伺うと、Mさんはほとんど話が出来なくなっていて、こちらの声掛けに頷いて応えるという状態になりました。昨年12月に、私がMさんの担当となり、Mさんは車椅子での施術から徐々にベッドで施術をするようになっていきました。

    私は院長から教えていただいたとおり、「認知症の人はちゃんと分かっているから、普段通りに話しかけてあげることが大切」ということを心に留め、Mさんには普通に声掛けをすることをずっと続けていました。そしたら何と!今年のGW明けに、約1年ぶりでMさんが、「誰だか分かんねぇ。」と、達ちゃんを見てはっきりしゃべってくれたのです。私が驚きとうれしさで「Mさん!声出たね!久しぶりにMさんの声が聞けて嬉しい!」というと、Mさんは「嬉しい♩嬉しい♩嬉しいよ♩」と、節を付けて返事をしてくれるという、私からすると奇跡が起きたと感じました!このことは以前にも記事に書きましたが、ものすごく嬉しかったです。この日が、Mさんと会話のキャッチボールが出来た最初で最後の日でした。

    その後も、「ドンドン、パンパン、ドンパンパン!」と言ってくれたり、これが楽しかったからもう一度聞かせて欲しいと伝えたら、リクエストに応えてくれたりと、心温まる出来事が沢山ありました。スタッフさんからも、時々「もうそろそろかと思うこともあったんですけど、マッサージのお陰で何とか持ちこたえてくれています。ありがとうございます。」と言っていただいたりと、有り難いこともありました。

    Mさんが声を出してくれてからは、達ちゃんの力を借りて、Mさんが好きな歌を毎回耳元で聞いてもらったり、紫陽花などの花を写真に撮ったものを、Mさんに見てもらったりしました。どうしたらMさんが喜んでくれるだろうと考え、私たちが出来る最善の真心を尽くしました。

    Mさんからは大切なことを沢山教えていただきました。Mさんの98年の人生に感謝と敬意を表し、ご冥福をお祈り致します。Mさんとの出会いに感謝です。ありがとうございました。

    患者さんとの関わり合いは、患者さんの人生にも寄り添うこと。その責任と利他心と真心を抱き続け、これからも慈愛を尽くしていきます。

    大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。

     

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